お役立ち農業辞書

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土壌生物由来の連作障害の対策(線虫を例として)

土壌生物由来の連作障害の対策としては,


・連作をせず,特定の土壌動物や土壌微生物だけを増やさない。

 →増大した病原微生物が抑制される作物と輪作を行う(例:大根→大豆)


・線虫を捕獲できる土壌生物の数を増やす。

 →パスツーリアペネトランス(カビの仲間)や,肉食系線虫等


・線虫が近寄れない植物を植える。

 →マリーゴールド,クロタラリア,ギニアグラス等

 ※各種線虫により対抗植物が違うのと,効果の出る栽培期間に注意(例:マリーゴールドはネコブ線虫よりネグサレ線虫に効果があり,栽培期間は2か月程度必要)


・作物の根量を増やす。

 →根量を増やすためには堆肥等の有機物の施用によって,生物の多様性の環境を用意するのが必須で,相対的に線虫や病原微生物が増えにくくなる

 ※根菜類は有機物の施用により各種病害が多発するとされているため注意


等々があります。


また,病害多発土壌に対しては土壌消毒が必要になることもありますが,除去すべき病原生物以外も減少してしまい,むしろ病害が多発することもあるので注意が必要です。

こうした場合は堆肥など有機物の施用によって,多様性に富む生物相にし,病原生物のみの急激な増殖を抑制することが大切です。

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