お役立ち農業辞書

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石灰・苦土・カリの切っても切れない関係

作物が利用する養分には相助作用と拮抗作用(二つの要因が互いにその 効果を打ち消し合うように働く作用)があります。

                    財団法人職業訓練教材研究会植物学概論P72

拮抗作用でよく問題とされるのが石灰・苦土・カリです。

上の図で三つの要素がお互いに実線の矢印を指し合っています。いずれも作物に必須の重要な養分ですが,どれかの吸収が多くなれば,どれかの吸収が妨げられるということです。

例えばカルシウムが過剰となれば,マグネシウムとカリウムの欠乏を引き起こし,マグネシウムが過剰となれば,カルシウムとカリウムの欠乏を引き起こすということです。


ですので,作物にマグネシウム欠乏症状が出ても,それはマグネシウムが足りないのではなく,カルシウム過多が原因かもしれないのです。


このように三つの要素は互いに無視できない存在なのです。

因みに,そのバランス(塩基バランス)として石灰:苦土:カリの比は5:2:1(当量比)が分かり易い指針として知られています。


また,特にカルシウムはpH調整で石灰資材を毎作ごとに施用したり,鶏糞などの肥料に入っていたりで土壌に過剰蓄積されていることが多々あるようです。

上の図のようにカルシウムは実線の矢印が多く他の養分を指しています。カルシウム過多は多くの欠乏症を引き起こということですので,特に注意が必要です。


養分の過剰症,欠乏症は典型の症状が挙げられていますが,この三つの要素のように互いが密接に関係していることもあるため,その原因と対処は慎重に見極める必要があります。


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