鶏糞堆肥とリン酸の過剰蓄積

投稿者:投稿者名

鶏糞は一般的にリン酸が多く含まれています。

しかし、この鶏糞に含まれているリン酸の多くは作物に利用されず、

土壌に残ります。

そのため、鶏糞を施肥の主体として長年作物を栽培し続けた土壌は、

リン酸の過剰蓄積が懸念されます。


鶏糞に含有されたリン酸が作物に利用されにくい理由は、

①鶏糞中の無機態リン酸が難溶性のリン酸カルシウムの形になっている。

②鶏糞中の有機態リン酸のほとんどがフィチン態リン酸の形になっている。

ことなどが挙げられます。


①について、

家畜糞中のCa/P(モル比)が2以下であれば、易溶性の第一リン酸カルシウムなどに、

2以上であれば難溶性の第三リン酸カルシウムなどになります。

鶏糞には大量のカルシウムが含まれています。

そのため、鶏糞の無機態リン酸はほとんどが難溶性となっています。


②について、

鶏の給餌である穀物の含有リン酸は、ほとんどがフィチン態となっています。

フィチン酸は特に金属に対して強いキレート作用を持っていますが、

リン酸も掴まれて利用されにくくなっています。


牛などの反芻動物はフィチン分解酵素であるフィターゼを分泌し、リン酸を

吸収しますが、フィターゼを持たない鶏や豚はフィチン態リン酸がそのまま

糞と一緒に排泄されます。

※現在、リン酸の利用効率を上げるため、鶏や豚の餌にフィターゼを添加しているものもあります。


以上のように、鶏糞中のリン酸はなかなか作物に利用されず、どんどん土壌に

蓄積されていくことになります。

さらに、リン酸は作物に対する過剰障害が出にくく、それがリン酸の過剰蓄積

を助長していくことにもなっています。


戻る

京都農販日誌のおすすめの記事

栽培者向けの勉強会を行っています

勉強会について詳しく知りたい方は京都農販の取り組みをご覧ください。