
京都農販日誌
家畜糞の施肥で土の保水性が向上するか?
2026/06/16

真夏の猛暑日対策として牛糞でしっかりと土作りをしているから、土の水持ち(保水性)は大丈夫という意見がありました。
この発言に関して、引っかかる事がありましたので今回はその内容を記載します。
土の保水性を高めるには、親水性官能基(しんすいせいかんのうき)と呼ばれる構造を持つ化合物か、粘土鉱物、ゼオライトやバイオ炭といった水を抱え込む事が出来る多孔質資材が有効だと言われています。
親水性官能基の方は聞き慣れない用語ではありますが、具体的に挙げますと
植物の繊維質の有機物が腐熟化したものに豊富に含まれています。
※詳しくは保水性の向上に関わる有機物についてに記載があります。
であれば、牛糞にも餌由来の植物性繊維が腐熟しているものが含まれているはずだから保水性は高まると言いたいところですが、牛糞には注意すべき成分が(土壌改良材として扱われている資材の中では)多く含まれています。
その成分というのが牛糞が熟成する程濃度が高まる硝酸態窒素になります。
硝酸態窒素は主要の肥料成分として頻繁に見聞きする成分ではありますが、周辺のものを酸化してしまう酸化剤としての側面もあります。
酸化剤としての硝酸態窒素の何が厄介かと言いますと、

※写真:養分過剰の畑の土に対してEFポリマーと緑肥の組み合わせをおすすめしますより
保水性の要因且つ植物性の有機物を土壌に留めておく役割のある粘土鉱物が酸化(風化)して、どちらの機能も低下してしまうということがあります。
更に硝酸態窒素は少量では特に問題ないですが、土壌改良という名目で硝酸態窒素を豊富に含む資材を大量に投入することで根からの吸水ストレスの増大(水が吸い難くなる状態)により、保水性の低下と合わさって猛暑に弱くなります。
年々猛暑日がきつくなっていて保水性の重要性が高まっていると思います。
保水性を高める成分が入っているから良いではないか!ではなく、保水性を高めつつ猛暑に対して弱くなる成分は極力入れないという意識をもって、マイナスの要素を減らしながら問題を解決していくことをお勧めします。
保水性を高めるには、粘土鉱物 + 植物性堆肥で物理性を高めた上で、


高吸水性樹脂のEFポリマーを加えると良いです。
EFポリマーには親水性官能基が大量にあります。
関連記事
⇩家畜糞の施肥によるリン酸過剰問題の弊害について
京都農販日誌の技術情報、セミナー開催情報、新商品の紹介やキャンペーンなど、いち早く情報がほしい方は、ぜひ弊社の SNS をフォローしてください!