
京都農販日誌
リン酸過剰と病害虫の被害について
2026/07/22
肥料教室で土壌中のリン酸量と病原性のカビの振る舞いについての内容を踏まえ、リン酸の過剰症は病害虫の被害が発生しやすくなることとお伝えした際、リン酸の過剰症はすべての病気で言えるわけではないのでは?というという質問が挙がりました。

この時話題に挙がりました菌はベト病の原因菌でしたが、ベト病の病原菌でリン酸過剰により植物に対して感染性が強まったという報告はあるのでしょうか?という質問が挙がりました。
この内容に関して、ベト病の原因菌がリン酸過剰により感染性が強まることは考える必要がなくて、植物が何らかの菌に寄生されるということを考えればリン酸過剰により病害虫の被害が発生しやすくなるということが見えてくるようになります。
上記の内容を事例をもとに詳しく見ていきます。

以前、サンリット・シードリンクス様に好調なネギと不調なネギの両方の株で根に寄生(もしくは共生)している菌を調べて頂いたことがあります。
予想では好調なネギには共生菌がいて不調なネギには寄生菌がいるのだろうと思っていたのですが、結果はどちらの株にもベト病ではない寄生性(病原菌)の菌が主で寄生していました。
好調の株では特に病斑はなく、不調な株では病斑らしきものが出ていたのですが、この時に病斑が出る程の強い寄生(感染)と病斑が出ない弱い寄生があることを知りました。
植物が菌に寄生されると、菌自身が成長に必要な養分を植物から奪います。
奪われる養分には糖やアミノ酸がありますが、他にも各種微量要素も含まれます。
植物はアミノ酸と微量要素を使って、病原菌や食害性昆虫に対して抵抗性の物質を合成します。
既に寄生されている作物で弱い感染であれば、まだ他の病害虫に対して抵抗できる可能性はありますが、強い感染を受けている場合は抵抗が難しくなります。
土壌には様々な菌がいて、そのどれかの菌がリン酸過剰により活発化したら、その菌により連鎖的に他の病害虫に対して弱くなると考えることができます。
上記の内容によりリン酸の過剰症の症状は病害虫の被害が発生しやすくなるとお伝えしています。
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