
京都農販日誌
バイオスティミュラント資材を使う前に意識したいこと
2026/08/26
バイオスティミュラント資材を使う上で意識しておきたいことはありますか?という話題が挙がりました。
今回はバイオスティミュラント資材を使用する前に準備しておきたいことについて触れることにします。
本題に入る前にバイオスティミュラント資材について触れておきます。
バイオスティミュラント(生物刺激剤)とは、植物がもともと持っている「環境ストレスに耐える力」や「栄養を吸収する能力」を引き出す資材を指します。
肥料や農薬とは役割が異なり、植物の生理機能を活性化させる目的で使用します。
イメージとしましては、

ビール酵母から作られた肥料の使い所:ストレスの軽減の記事で紹介しました活性炭素種(Reactive Carbon Species : RCS)という弱い活性酸素のようなストレスになるようなものを敢えて与えることで環境ストレスに強くするといった資材になります。
これらの資材はただ使用すれば効果を発揮するというものではなく、事前に効きやすい環境を準備しておくといったことが重要になります。
バイオスティミュラント資材を使う為の準備にはどのようなものがあるのでしょうか?
例えば、猛暑日対策として耐乾性を向上させるバイオスティミュラント資材を使いたいとします。
この資材を使った直後から植物体内で耐乾性に必要な化合物(脂肪酸等)の合成を始めます。
植物体内で何かを合成する時には必ずタンパクでできた酵素の働きが重要になりますので、バイオスティミュラント資材を使うと酵素用のタンパクの合成が活発化します。
タンパクはアミノ酸が鎖状に繋がったものですので、アミノ酸が必要になることはわかるのですが、アミノ酸同士をつなげるには亜鉛等の微量要素が必要になります。
この段階でも分かるように、バイオスティミュラント資材の効果を発揮するには、植物体内でアミノ酸や微量要素が潤沢にあることが必須条件となります。
バイオスティミュラント資材に頼りたいと思うのはどんな時でしょうか?

土壌改良がうまくいっておらず、猛暑等の劣悪な環境下で作物が弱ってしまったのを直視した時になるかと思います。
土を劣化させたままケアしなかったらどうなるのか?で記載しましたが、上記のような環境ではタンパクを合成する為の微量要素の吸収がうまくいかず、バイオスティミュラント資材の効果も期待したものにはなりません。
鉱物系肥料を投入すれば微量要素は解決しますが、それは定植前にしておかなければならないことで現実的ではありません。
ではどうすれば良いのでしょうか?
バイオスティミュラント資材を使用する数日前に「アミノ酸 + 微量要素の混合液」で追肥(葉面散布)をすることが大事になります。
「アミノ酸 + 微量要素の混合液」の追肥で作物内にタンパクの材料が潤沢にある状態にした後でバイオスティミュラント資材を使用することで耐性に関する化合物の合成を活発化に繋げます。
この話からバイオスティミュラント資材を定期的に使用する場合は、「アミノ酸 + 微量要素の混合液」とバイオスティミュラント資材のローテーションを組むということが重要であることがわかってきます。
補足
「アミノ酸 + 微量要素の混合液」にバイオスティミュラント資材を混合させて散布はどうですか?という質問が挙がりました。
バイオスティミュラント資材の混合に関しては、混合した時にどのような反応が生じるか予想できないので、安全策としてローテーションが良いと返答しています。
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