京都農販日誌
続有機肥料安全神話
2017/03/16
有機質肥料は水没に弱く水に長く浸かるとガス障害が出やすいというデメリットがあります。
そして有機質肥料の一番怖く、気を付けなくてはいけないのは、、
『有機だから安心してどれだけ使っても大丈夫』という【固定観念】
この肥料を使ったら去年はもの凄い上手くいったからこの肥料をづっと使い続けるわ!」なんて事を言いながら本当に一年中同じ肥料を使い続けている方。
「いや、判断早くないっすか!!?」
例えば、、
これは単肥です。 パームアッシュカリ 燃焼灰でカリ分の補給に使います。pHが高いので特に施設栽培では入れすぎに注意が必要です。
カリが不足し生理的酸性肥料の連用で調子の悪い圃場なら始めはバランスを取ってくれるのでいい結果がでますが、毎年大量に入れすぎると今度はpHが上がりすぎて微量要素の全然効かない畑になってしまいます。
単肥でこの話しです。
そして有機肥料には配合ペレットやぼかし肥料という原料を複数入れて混ぜ込んだり醗酵させたりしたものをペレット化した肥料が存在します。
それだと一体どんな肥料がどれくらい入っているのか想定出来ないので思わぬ成分が溜まってします可能性もあります。
例えば窒素とリン酸とカリが7-5-6とバランスの良い肥料だと思って使っていた有機肥料も原料の片隅に鶏糞と書いてあり、その鶏糞が思っていたよりも沢山入ると鶏糞(特に産卵鶏)にはカルシウムをたくさん含んでいるので、石灰過多になる。
もっと嫌なフィチン酸とかいう有機態リン酸(微量要素を片っ端から奪っていく奴)過剰になる。
そんなケース。
バーク堆肥だと思って使っていたらよく見たら「バーク入り堆肥」でバークの量は少しであとは家畜ふん。
土を良くする為に大量に入れたので大量のECが畑に溜まってしまって、石灰過多のパターンと合わさったら塩類集積に突入。
有機肥料の効果の現れ方はゆっくりですよね。 欲しくない成分の溜まり方もゆっくりじっくり溜まっていく。
これ余計にタチが悪くて困ります。 その点は無機化成の方が投入を間違えるとその作で大きなダメージを食らうので「しまった!!」で、軌道修正がききやすい。
有機肥料は実はめちゃくちゃ良い肥料です。 原料と使用量をを間違えず土壌分析をたまに取りながらバランスよく施していけば。
自分は堆肥や有機肥料を扱う時は必ず工場に行って原料を確認するようにしています。
有機肥料の怖いところは安全だと思い込んでいる事が危険だという事。気に入った肥料があって内容に自信がないなら定期的に土壌分析をするとやはり畑は守れると思います。
と、最後は土壌分析の宣伝になってしまいました w