京都農販日誌
カリ肥料の追肥
2022/12/23
中位葉以下の葉の縁が萎れ黄化し、ひどい時には褐色になっているとカリ欠乏を疑い、カリ肥料の追肥を行います。
追肥は施肥後に速やかに効いてほしい為、速効性の水溶性のカリ肥料を使用します。
水溶性のカリでおすすめなのが、
主成分が重炭酸カリ(KHCO3)のサンパワーカリがおすすめです。
速効性の肥料はすぐに効く代償として残留性というものがあり、根腐れの要因になるようなガスが発生するものが多いですが、重炭酸カリは肥効以外の反応として毒性のない二酸化炭素の発生のみとなります。
日本国内の大体の畑での使用は特に気にする必要はありませんが、
石灰過多のハウス、石灰質土壌や蛇紋岩由来の土壌での使用は注意が必要です。
重炭酸カリは肥効後に土壌のpHを上げる生理的塩基性肥料に分類されます。
上記で挙げた土壌では元からpHが高いという特徴があり、鉄欠乏が発生しやすいとされています。
※参考 : 鉄欠乏 - トマト - タキイ種苗
鉄は葉で光合成を行う際のエネルギーの運搬で用いるものなので、鉄欠乏は収量に大きな影響を与えます。
重炭酸カリを施肥後に上位葉で黄化の症状が現れたら、鉄欠乏である可能性が高いです。
鉄欠乏が見られた場合はpHを下げる(酸性にする)クエン酸溶液を散布してみると良いでしょう。
鉄等の微量要素の吸収の効率が上がります。