京都農販日誌
サトイモの連作障害対策
2023/10/19
諸事情により毎年同じ場所でサトイモを栽培しなければならない方から年々不調になるのでなんとかしないという話題が挙がりました。
圃場の状態や症状の写真は掲載せずに文章で記載しますが、サトイモは本来であれば葉が4〜6枚展開であるところを2枚目が展開したら古い葉が養分転流を起こし新しい葉が展開するという状況になっていました。
作物は違いますが共通だとして、養分転流は亜鉛が欠乏することにより発生するので、問題の畑は典型的な養分の偏りに因る連作障害のようでした。
※吉本 光希著 植物の必須栄養素から考える植物オートファジーの重要性 - Journal of Japanese Biochemical Society 91(5): 652-658 (2019)
ただ、問題の畑は川から近く、川からの水の入水で比較的に微量要素欠乏が起こりにくい環境で亜鉛欠乏のような症状が頻繁に発生しているのは不思議でした。
しばらく考えてみてふと頭に浮かんだのが、センチュウ等の食害を受けると、亜鉛欠乏のような症状になることがあります。
センチュウは連作障害の定番の要因なので、今回もセンチュウに因る不調だと仮定して話を進めると、センチュウ対策は殺センチュウ剤を用いることだろうか。
ただ、今回の畑では諸事情により殺センチュウ剤が使用できないので、他の手段を検討する必要があります。
ざっと考えてみたものとして下記が思い浮かびました。
- ・肉食性センチュウが自然に増えるのを待つ
- ・センチュウ捕食性のカビ(パストゥーリア)等が自然に増えるのを待つ
上記の内容では自然に増えるのを待っても改善する確証はありませんし、それまでに営農がもたなければ意味がありません。
他にできることとして、栽培上組み込むことが可能であるか?は置いときまして、
マリーゴールドとの混作があります。
マリーゴールドはセンチュウの密度抑制の効果がありますので、土壌改良材で生物性を向上させつつ、マリーゴールドがしっかりと根を生やすことができれば、もしかしたらセンチュウの被害は軽減できるかもしれません。