お役立ち農業辞書
有機質肥料としてのカニ殻の特性
カニ殻は甲殻類であるカニやエビ,シャコなどの殻を乾燥,粉砕したものです。
カニ殻の成分量はおおよそ窒素,リン酸とも4%程度であり,カリ分はほとんど
含まれていません。
窒素の肥効は米ぬかと同じくらい緩効的で,作付は施用後2週間はあけた方が
よいようです。
また,カニ殻には土壌病害を抑制する働きがあるとよく言われます。
それは,カニ殻に含まれるキチン質が土壌の放線菌を増やし,相対的に糸状菌を
減らすことになるからです。
土壌診断と作物生育改善P143
土壌微生物による病害は糸状菌由来が70~80%を占めており,
その糸状菌が相対的に減れば,病害も抑制されるということです。
肥料成分もありながら,病害の抑制効果も期待できるのが,カニ殻の
大きな特性です。