お役立ち農業辞書
根粒菌と作物の共生関係
根粒菌は植物に窒素を与える共生菌です。
具体的には大豆などのマメ科の植物の根に「根粒」と呼ばれる小さなコブを
大量に作り,そこで空気中の窒素ガスをアンモニアやアミノ酸に変え,
植物に提供しています。
一方,根粒菌は植物の根からエネルギー源となる糖をもらっています。
このため,マメ科の作物は窒素成分の少ない土壌でも窒素肥料を大量に
施用することなく育てることができます。
例えば,大豆は多量の窒素が必要とされていますが,その大部分は根粒菌が
固定する窒素と地力窒素で賄われています。
逆に,元肥で施肥窒素を多くすると,根粒菌の着床が少なくなり,生育が悪く
なってしまうようです。
※地力窒素が期待できない場合,開花期以降は化学肥料の追肥が必要
現在では,農耕地でマメ科作物に根粒菌を人工的に接種する方法が利用され,
大きな成果を上げています。
また,昔はよく田んぼにレンゲ(マメ科)が生えていましたが,あれは緑肥と
してわざわざ栽培していたということです。