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グラム染色による細菌の区分と圃場の排水性との関係
グラム染色とは主として細菌類を色素によって染色する方法の一つで,紫色に染まればグラム陽性,染まらずに赤色に見えるのがグラム陰性と分類されます。
https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Gram_stain_01.jpg
グラム陽性の細菌は体に厚みがあり乾燥に強いです。
グラム陰性の細菌は体に厚みがなく乾燥に弱いですが,増殖は速いです。
そして,作物の細菌由来の病原菌はグラム陰性の細菌が多いのです。
排水が悪く,常にジメジメとしているような圃場は,乾燥には弱いが増殖の速いグラム陰性の細菌が活発化し,病気が広まりやすくなります。
逆に圃場の排水性を高め,他の有用菌が活発化する条件を整えてやれば,細菌による病気の感染率は格段に減るということです。
このように,グラム染色による細菌の区分によっても,圃場の排水性の向上が大切であることが理解できます。