お役立ち農業辞書
植物の病原菌への対抗の仕方
植物が病原菌に侵入された場合,どのように身を守るのか,
上の図のように第一段階として,活性酸素によって病原菌を退治します。
そして,自身をも傷つける活性酸素を酵素を合成して消します。
第二段階として,活性酸素で病原菌の勢いを抑えらなかった場合,
侵入した病原菌の周辺の細胞を壊死させることで,病原菌の増殖を防ぎます。(ネクロシス)
※ネクロシスの例
第三段階として,ネクロシスでも病原菌を抑えられなかった場合,
感染した葉・茎ごと,株から切り離してしまいます。(器官離脱)
その際,あらかじめ基部に特別な細胞層の離層が形成され,新たな病原菌の侵入を防ぎます。
※離層形成の際,大量のカリウムを使います。
このように,植物はいくつかの病原菌への対抗策を持っています。
つまり,株自体が健全で周囲の環境が生育に適していれば,そうそう病気にかかって全滅ということはないということです。
作物は人間の意図が入る分,なかなか植物本来の理想的な生育過程や環境等に合わすことができませんが,それに近づける努力をすることが大切なのだと思います。