京都農販日誌

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オータムフェス質疑応答 京都には腐植を入れるだけで良い土はありますか?

2019/12/09

粘土に関して、色のついている地域は腐植を入れるだけで団粒が出来るのですか?京都にはそのような地域はないのですか?

オータムフェスの質疑応答の回答です。


返答の前に色のついている地域について触れておきます。


上の日本地図で、水色とピンクの色があり、どちらの色付きの地域も腐植(有機物)がふんだんに含まれている黒ボク土が分布している箇所になります。

黒ボク土は発根やリン酸肥料の効きに悪影響を与える活性アルミナが発生しやすいというデメリットがありますが、全体で見ると保水・排水性に富み、肥料の効きも良いので、扱いさえ間違えなければ非常に栽培しやすい土であると言えます。


鹿児島や茨城県のつくば市の巡回の経験になりますが、


H-85+


凝集された腐植酸肥料の施肥のみでも秀品率が急速に改善しています。


本題の京都に色付きの地域のような土はありますかについてですが、その前に話題に挙がっている黒ボク土はどのような条件で形成されているかについて触れておきます。黒ボク土に関してWikipediaから形成に関する内容を抜粋すると、

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母材である火山灰土と腐植で構成されている。表層は腐植が多いため色は黒色又は黒褐色、下層は褐色となる。火山山麓の台地や平地でよく見られ、一部火山灰に由来しない黒ボク土も存在し、この場合は火山より遠く離れた地でも見られる。

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黒ボク土#概要 - Wikipediaより抜粋


黒ボク土は火山灰土と腐植で構成されています。冒頭の図でいうところの水色の地域の黒ボク土のことで、火山灰に由来しない黒ボク土はピンク色の土のところになります。

もう少し細かく見ると、火山灰土は中学校の理科で習った安山岩や玄武岩質の火山灰がふさわしいみたいです。これらの黒ボク土はアロフェン質黒ボク土と呼ばれるそうです。


これを踏まえた上で、京都を再び見てみると、京都には火山が無いことになっているので、水色の黒ボク土がないことになっていますのが、よくよく調べてみると、



実は京都府福知山市の夜久野高原の北西部にある宝山(田倉山)が玄武岩質の火山であったとされています。

宝山(田倉山)|京都府レッドデータブック2015


夜久野高原の周辺の畑を見渡してみますと、




有機物(腐植を含む)が豊富に含まれていそうなふかふかした土の畑が広がっています。

土質を調べることが出来る日本土壌インベントリーを見ても、


日本土壌インベントリー


有機物(腐植)を豊富に含む土が広がっていることがわかります。




夜久野以外では点々としていますが、有機質をふんだんに含む黒ボク土というものが所々にあります。

これまた経験則になりますが、分布の傾向として、


20万分の1日本シームレス地質図


国立研究開発法人産業技術総合研究所のサイトにあります20万分の1日本シームレス地質図で地質を確認して、


※上の地質図の場所とは異なりますが、海底火山となっている箇所の岩


※岩の下に堆積していた土


※比較用で数メートル離れた箇所の海底火山でない(砂岩となっていた)箇所の下に堆積していた土


海底火山となっている箇所の周辺に黒ボク土のような黒くてふかふかした土が多い傾向にありました。

※上記の話は畑の土ではなく、山道の脇にある土の話です。


この黒ボク土は冒頭の日本地図のピンクの箇所にあたり、これらの黒ボク土は非アロフェン質黒ボク土と呼ばれることが多いです。


ちなみにオータムフェス中に挙げました


地力薬師

マッシュORG


地力薬師(粘土鉱物)  + 腐植の組み合わせは非アロフェン質黒ボク土のような土を目指しています。


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