京都農販日誌

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土を学ぶ上で母岩を意識すると得られる知見が増えるかもしれません

2023/04/12

土を学ぶ上でお勧めの場所がありますので、今回はそちらを紹介します。


場所の紹介の前に栽培の教科書で土のついての記載を読んでみると、土になる前の母岩というものの影響を大きく受けるといった表現をされていることをよく見かけます。

土は母岩が風化しながら、様々な生物の影響によって土へと変化していきます。


この母岩からどのような土ができるのか?は山道の露頭(岩肌が出ているところ)の下に堆積している土を見ると、土を理解する上で母岩が大事であることが直感的にわかるようになっていきます。

上記の内容を踏まえた上で、本題に入ります。





大阪府高槻市にある本山寺周辺で枕状溶岩(緑色岩)砂岩の層の境が明確にわかる断層があります。

※楠利夫著 露頭紹介 -西山,川久保渓谷中流に見られる緑色岩周辺-


前者の緑色岩は緑泥石を主の鉱物とした岩になり、緑泥石は土作りに有効であるとされる2:1:1型粘土鉱物になります。

緑肥を活用して、土壌の物理性の向上を早める


早速、緑色岩と砂岩の境界を見る事にしましょう。





上の写真が上記で紹介しました文献に記載されている地図を参考にして探しました断層で、左側が砂岩で、右側が緑色岩になります。


先に左側の砂岩の層を見てみることにします。



岩は全体的に薄い色をしています。

この岩の下に堆積している土を見てみますと、



色の薄い栽培しにくそうな土が堆積しています。




続いて、右側に5m程進んだ緑色岩の方を見てみます。



全体的に丸っこく色が濃い岩が露出しています。

緑色岩の方の層の下の方に堆積している土を見てみると



先程の砂岩の層とは明らかに異なる栽培しやすそうな土が堆積しています。

たった5m程しか離れていないのに、母岩によってこうも土の特徴が異なるのは驚きです。


仮に砂岩と緑色岩のどちらの土で栽培したいですか?と質問をしてみると、おそらくほぼすべての人が緑色岩の方を指すと思います。

※作物種によっては前者の砂岩の方を選ぶかもしれません


これから土を見ていく時は地質を確認しながらであると、得られる事が増えるかもしれません。

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