京都農販日誌
あべ農場様で秀品率の向上の為の施肥設計の話をさせて頂きました
2023/10/18
山形県の北部の真室川町で営農されていますあべ農場様より秀品率の向上の為の施肥設計の相談の依頼があり、施肥設計に関する内容と一緒に施肥設計の検討会を行いました。
主に過剰症の弊害についての話をし、土壌分析の結果と照らし合わせながら減肥できる箇所を検討しました。
地域にあった施肥設計を行うためには土地の特性を把握する必要があり、現地を訪れる前に行いました事前準備について紹介します。
一番最初に調べたのは土質で、農研機構の日本土壌インベントリーを開き、全体的に黒ボク土であることがわかりました。
土質図でざっくりとした特徴はわかるのですが、土地の個性というものは土質図では判断が難しいので、次に地質図で母岩が何であるか?を調べました。
真室川町 - 20万分の1シームレス地質図V2に拠ると、真室川町の地質は段丘堆積物であったため、周辺の山から流れ込んだ土砂である可能性が高いが、この時点では土地勘がないので、周辺の地形のどの辺から大きな影響を受けているか?は判断の自信はありませんでした。
そこで、地図を俯瞰し、
山形県を上記の図のように6箇所のエリアに分けた後、山形県の地質 - 東北地質調査業協会や馬場敬等 新庄盆地北縁部及位地域のグリーン・タフ層序に関する新知見 石油技術協会誌 第56巻 第2号 (平成3年3月)で山形県の成り立ちや新庄盆地北縁部の特徴について読むことにしました。
上記の事前調査で、真室川町が位置する新庄盆地の北部では両側にある山の影響を大きく受けると判断し、それに合わせての真室川町に合わせた施肥設計の話を作成しました。
※真室川町は苦鉄質の火山岩由来の土砂を母岩とするため、慢性的なカリウム不足とマグネシウム過剰に陥る可能性があることを意識する
あとは簡易的な内容ではありますが、真室川町の気候の傾向を確認しています。
今回の話で施肥の無駄を省きつつ秀品率の向上につながることができれば幸いです。