
京都農販日誌
ビール酵母から作られた肥料の使い所:ストレスの軽減
2026/02/13

ビール酵母から作られた肥料の使い所:還元反応でセルエナジーという面白い肥効の肥料を紹介しました。
ビール酵母の肥料の肥効は還元反応による微量要素の吸収促進、作物が環境から日々受け続けているストレスの軽減と微量要素剤の3パターンあり、前の記事では還元反応について触れました。
※微量要素剤は肥料の説明には記載されておらず、あくまで予想になります。
今回はストレスの軽減について触れていきます。
作物が感じるストレスへの理解を深める為に重要なこととして活性酸素の発生があります。
作物に限らず、動植物全体で生きていく上での様々な出来事、例えば体内に病原菌が侵入した、真夏日や真冬日を経験した、摂取した炭水化物からカロリーを取り出した、植物であれば光合成を行ったといった活動の度に活性酸素が発生しています。
活性酸素は少量であれば良いのですが、大量に発生すると自身の体を不調にしたり老いを早めたりします。
作物や栽培者にとって老いが早くなってしまうことで、

外葉の養分転流が早くなり、目方が減ることや収穫後の調整作業に多くの時間を要する要因になったり、

出荷後の棚持ちの期間が短くなったりと収入に直結します。
日々発生する活性酸素との付き合いは栽培者にとっての重要課題だと言っても過言ではないと思っています。
ではこの活性酸素の発生とどのように付き合っていけば良いのでしょうか?
一概に活性酸素と言っても様々な種類があります。
最初に発生するスーパーオキシド(O2-)、酸素供給剤としてよく見聞きします過酸化水素(H2O2), フェントン反応で重要とされるヒドロキシラジカル(・OH)や紫外線により発生する一重項酸素(1O2)等があります。
これらの活性酸素には反応性に強弱があり、反応速度の速い順で順位付けをすると
・ヒドロキシラジカル(・OH)
・一重項酸素(1O2)
・スーパーオキシド(O2-)
・過酸化水素(H2O2)
になります。
活性酸素の分類について見てきた事を踏まえて興味深い反応を紹介します。
スーパーオキシドよりも反応性が遅い反応性種と呼ばれる分子や化合物を施用するとストレスが軽減されるという興味深い反応があります。
反応性種には活性酸素種の他に活性窒素種や活性炭素種があり、

冒頭で紹介しましたビール酵母から作られた肥料に活性炭素種(RCS:Reactive Carbon Species)が含まれていて、スーパーオキシドよりも反応性が遅い反応性種に該当します。
葉面散布等で溶液を葉や根に向けて散布する事でストレスの軽減が期待できます。
ビール酵母細胞壁由来の農業資材の“植物活性メカニズム”解明へ - アサヒバイオサイクル
ストレスが軽減されたことで、本来ストレスに対応する為に使われていたエネルギーを他の箇所で利用することが出来るようになり生育が好調になります。
ストレスを軽減する際にアミノ酸をよく利用しますので、

アミノ酸肥料等と併用して使用することをおすすめします。
補足
ストレスの軽減の詳細に関しましては、SOD(スーパーオキシドジスムターゼ)という酵素の合成が誘導されます。
SODの働きに関しては特集:SOD(スーパーオキシドジスムターゼ) | コスモ・バイオ株式会社の内容がおすすめです。
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