お役立ち農業辞書

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非晶質粘土鉱物のアロフェンについて

非晶質粘土鉱物という分類の粘土鉱物があり、土を理解する上でこの分類の粘土鉱物を理解する事が重要になっています。



非晶質粘土鉱物で有名な鉱物にアロフェンがあり、土壌分類名でアロフェン質黒ボク土といった鉱物名が含まれている土がある程重要な粘土鉱物になります。

アロフェン質黒ボク土 - 日本土壌インベントリー - 農研機構

※土壌分類名で非アロフェン質黒ボク土がありますが、こちらは2:1型粘土鉱物等の結晶性の粘土鉱物に腐植が蓄積した土壌になります。

非アロフェン質黒ボク土 - 日本土壌インベントリー - 農研機構



アロフェンは1:1型粘土鉱物の構造のAl八面体とSi四面体の組み合わせが球状になるように集まっており、この形故の興味深い特徴があります。

Al八面体が外側に位置し、Si四面体が内側に位置し、表面を拡大してみると、



のように正に荷電した箇所が広範囲に展開することになります。

正に荷電した箇所が多い事は腐植酸をたくさん吸着出来ることになりますので、アロフェン質黒ボク土では腐植酸を主とした有機物をたくさん蓄積出来るようになります。


正に荷電した箇所はリン酸等の陰イオン性成分を吸着しまして、たくさんの正荷電を持つアロフェンはたくさんのリン酸を固定します。

※正に荷電した箇所はリン酸吸収係数の要因になります。


アロフェンは1:1型粘土鉱物のカオリナイトと比較して、風化抵抗性が低い為、Alの溶脱に注意が必要です。




アロフェンはどういうところに多くあるかになりますが、



アロフェンは火山から噴出されたマグマが急速に冷えて固まった軽石に含まれる火山ガラスが風化した二次鉱物になります。

風化火山灰のふしぎな世界 - 自然科学のとびら Vol.11, No.2 - 神奈川県立 生命の星・地球博物館



関東ローム層等の火山灰土壌(アロフェン質黒ボク土が多い)でリン酸吸収係数が高くなるのは、アロフェン由来であることがわかります。

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