お役立ち農業辞書
塩基飽和度とは
土壌診断の項目でもある塩基飽和度とは,CEC(陽イオン交換容量)に対して水素イオンを除く陽イオン(Ca2+,K+,Mg2+など)がどれほど吸着しているかの値です。
塩基飽和度の低い状態
塩基飽和度の高い状態
CEC(陽イオン交換容量)は土壌の保肥力とも言え,人間では胃袋の大きさに例えられます。
そのため塩基飽和度は人間に例えると,満腹度ととらえると分かり易いと思います。
塩基飽和度が100%を超える状態になると,土に吸着されず土壌養液に溶け出してくる塩基が多くなるので,当然EC(電気伝導度)も高まり浸透圧の問題で濃度障害が出やすくなります。
濃度障害は,粘土鉱物や腐植が多く入った土壌ほどCEC(陽イオン交換容量)が高いことから出にくく,逆に砂などのCEC(陽イオン交換容量)が低い土壌では出やすくなります。
そのため塩基飽和度が高くなりすぎている場合は,除塩か土作りをした方が良いということになります。