京都農販日誌
草刈り機による除草管理について
2023/01/05
除草作業で除草剤を使うか、草刈り機を使うかの話題がよく挙がります。
可能な限り除草剤を使用せず、草刈り機を使用した方が良いと考えていまして、今回は草刈り機周りの話題をしたいと思います。
草刈り機による除草管理を推す理由は
以前、梅雨時期の大雨対策の記事で、年々増え続ける長雨に対して
通路に草を生やしておくことで、排水性を可能な限り高めておいて、通路に水が溜まりにくく、草の蒸散により乾きやすい状態にして、作物へのダメージを軽減したいという内容を記載しました。
通路に根がしっかりと張り巡らされている事で、排水性が向上しつつ、保水性も向上し、夏の高温時でも作物の萎れ具合が軽減される事も期待できます。
通路に草を生やすことで過剰な無機リン酸を減らして病気の感染率を下げたり、話題の菌根菌の土壌への定着が安定するそうで、作物が菌根菌と共生することで病害虫への耐性を得て食害被害が軽減される可能性があります。
除草剤を使用すると、草抑えは安全で簡単に行える事が出来ますが、散布後に土が固くなり、上記のような環境ストレスの回避が難しくなりますので、通路の草が邪魔にならない程度に草刈り機で管理することが理想的です。
少量ではありますが、刈り取った草が次作の土作りの素材としての効果も見込めます。
ただ、草刈り機はチップソーやワイヤーが露出していて、人身事故に繋がる可能性が高く、オペレータの集中力の面から稼働時間が短いという欠点がありまして、生産法人で雇用するにしても草刈り機の使用経験有りといった雇用条件を上げる要因になっています。
上記の内容から注目している農機具がありまして、
SPIDER MOWER スパイダーモアー | 草刈機 | 製品一覧 | 株式会社オーレック [ OREC CO.,LTD. ] 草刈機・管理機・耕うん機・運搬車の製造販売
車輪付きの自走式の草刈り機のスパイダーモアになります。
スパイダーモアは水田の畝の斜面の草刈り機のイメージがありますが、綺麗に整備された畑の通路でも威力を発揮します。
スパイダーモアは刃が隠れているので安全性が高く、自走式であるので力の無い方でも長い間安全に草刈りをすることが出来、生産法人での雇用条件を一段階下げる事が出来ます。
今のところ把握している欠点は従来の草刈り機よりも価格が高いことと、通路の幅を広くし栽培面積を狭めなければなりませんが、生産性の向上と雇用者の安全性の向上という観点から許容範囲内だと考えています。
実際に使用している方から、石が多いほ場では石にぶつかって刃の消耗が早いとありましたが、刃の位置を高くすることで回避する事が可能であるそうです。
弊社にはスパイダーモアに詳しい者がいますので、使用時の疑問があればお問い合わせください。
追記
通路に草を生やす事に関する記事