京都農販日誌

京都農販日誌

緑肥は土を良くする他に栽培上の問題を可視化します

2023/05/01


秀品率が高い方の話を聞くと、定期的に緑肥をされていることが多いです。

数作に一回程度、畑の全面で緑肥を育て、緑肥を鋤き込むことで土壌のコンディションを整えます。


土壌のコンディションというのは、石灰やリン酸といった過剰に蓄積されやすい肥料分を減らしたり、次作で効きやすくするといったことです。

沖縄の土壌と栽培について

リン酸の施肥を意識することを勧めています


緑肥を定期的に栽培されている方が上記以外で興味深い話をされることが多いので、今回は緑肥を採用することで得られることについて整理してみます。




畑一面に緑肥が生えそろうと、



局所的に背丈が小さい集団ができたり、



徒長して、倒伏しやすい株が多い集団ができたりします。

前者の背丈が低い集団は局所的に土壌のコンディションが悪い指標で、徒長気味の箇所は前作までの肥料分が溜まっていた箇所で、畑全面に緑肥を育てることで可視化でき、次作の生育不調を回避することが出来るようになります。

※緑肥による土の状態の可視化は土壌分析よりも精度が高い可能性があります。


前者は次作の基肥で土壌改良の堆肥等を多めに施肥すると良く、後者は緑肥を鋤き込むのみで改善されます。

緑肥鋤き込みの際は事前に地力薬師を施肥しておくことをおすすめします。


緑肥を介して得られた不調の情報を解決せずにそのまま栽培をしてしまうと、軟弱な株の集団が出来、食害性昆虫や病原性の菌を呼ぶ要因となり、その周辺の秀品率も低下する恐れがあり、農薬の使用量が増えることにも繋がります。

年々栽培が不調になっているという感じている方は、栽培面積を闇雲に増やして収穫量を確保しようとせずに、定期的に緑肥を行う為に畑を確保するという認識にシフトした方が良いです。

畑の地代等の管理コストは秀品率の低下や農薬の使用量の増加によるコストより少なくなります。


最後に余談ですが、緑肥をされる際は緑肥を利用する前の注意事項をまとめましたを一読することをおすすめします。

一覧に戻る

お問い合わせ

弊社へのご相談・ご質問は
こちらからお問い合わせください。

お問い合わせはこちら