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京都農販日誌

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C/N比が高くても窒素飢餓が起こり難い有機質肥料について

2025/12/22

C/N比が高い有機質肥料を使う時はどういうことを意識すれば良いですか?という話題がありました。

先にC/N比について触れておきますと、C/N比とは、有機質肥料の含まれる炭素(C)と窒素(N)の割合になりまして、炭素は主に炭水化物(デンプン)や脂肪といったカロリー源を指しまして、窒素はタンパクのような体作りに重要なものになります。


C/N比が高い有機質肥料を施しますと、土壌の微生物らが早くに炭水化物等の分解を始め、その時に作物にとって必要な成分(アミノ酸や微量要素)も作物よりも早く吸収してしまい、作物の生育に必要な養分が行き渡らなくなることで一時的に生育不良に陥る事があります。


この症状を窒素飢餓と呼びます。

窒素飢餓を起こさないようにするために、有機質肥料を施肥する時は、C/N比を意識しましょうと良く言われます。


栽培で良く話題に挙がります有機物のC/N比は下記になります。

有機物 C/N比
鶏糞 7
油粕 7
豚糞 11
ビール粕 11
おから 11
茶粕 12
牛糞 16
米ぬか 23
コーヒー粕 23
十分に生長した雑草 50
稲わら 60
もみ殻 75
280
おがくず 134 〜 1064

C/N比#さまざまな有機物のC/N比 - Wikipediaを参考にして作成


米ぬかのC/N比の23あたりから窒素飢餓を意識する必要があるとされています。




ここでC/N比に関して意識しておくべき事があります。



もみ殻くん炭を作って、土壌改良の為に施肥した事があれば思い返して頂きたいのですが、籾殻くん炭を施肥しても窒素飢餓にはなりません。


くん炭にする前のもみ殻のC/N比が75で既に高いC/N比なのですが、くん炭にすることで更にC/N比が上がります。


図:宮崎大学工学部物質環境化学部の松井松下研究室より引用


バイオ炭についての記事で記載しましたが有機物を炭化すると炭水化物やタンパクが揮発して、ベンゼン環(上の図の六角形の形をした箇所を指します)と呼ばれる構造が残りお互いに結合し合います。


ベンゼン環はC6H6で示す化合物になっていまして、炭水化物やタンパクが消失して、ベンゼン環ばかり残ったとすると、C/N比の値が高まり、100前後や100を超える可能性もあります。


それにも関わらず、炭化していない籾殻よりも窒素飢餓が起こり難いのは何故なのでしょうか?


それは有機物に含まれる炭素に、土壌の微生物が積極的に分解しようとする炭素(炭水化物や脂肪のようなカロリー源になる)とあまり分解しない炭素(ベンゼン環を含む化合物でカロリー源にならない)がある為だとされていて、炭化する程、分解しやすい炭素が減り、分解し難い炭素の比率が高まります。


ベンゼン環を含む炭素は土壌の物理性と化学性が高まるとされていまして、C/N比が高いにも関わらずもみ殻くん炭が窒素飢餓を起こさずに土壌改良を行うことが出来る要因になります。


余談ですが、



刈草や剪定枝等を好気発酵して作る堆肥も熟成する程、ベンゼン環の含有率が高まっていく為、C/N比が高いにも関わらず窒素飢餓を起こさずに土壌改良を行う事が出来るようになります。

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