
京都農販日誌
棚持ちが悪くなってしまう要因とは何だろう?
2026/02/26
自然農法で栽培された野菜は収穫後も鮮度を保っていると言われるのは何故ですか?という話題になりまして、慣行的な栽培でも上手に育てられている方の野菜は鮮度を長く保っているのを見かけるで、自然農法で使わないような肥料成分が棚持ちに影響を与えているのでは?という事で一緒に考えてみることにしました。
本件に関しては記事作成者の予想になりますので、明確な根拠があるわけではないという事をご了承頂いた上で読み進めてください。
棚持ちに関して当たりを付けた箇所としまして、根圏の無機態窒素である硝酸態窒素の量があります。
根圏に硝酸態窒素が多くあると、それが根の先端で植物ホルモンのサイトカイニンの合成の合図になる可能性があります。
大雑把ではありますが、サイトカイニンの働きは根の伸長を抑えて地上部を茂らせるというものになりまして、

地上部の茂りの量に対して、発根量が少ない株になります。
この時、詳細は端折りますが硝酸態窒素と微量要素の吸収バランスが崩れまして、株内では硝酸態窒素が多めで鉄等の微量要素が少なめの状態になっていると考えられます。
植物は硝酸態窒素を吸収しますと、還元反応によりアミノ酸へと変わっていきます。
還元反応は二価鉄等が持つエネルギー的なものを受け取る事で発生する反応になりまして、硝酸態窒素も二価鉄の恩恵を受けて還元されてアミノ酸になります。
植物にとって硝酸態窒素は窒素という有用なものではありますが、化学的に体内で長い間保持しておきたくないような特徴を持っていまして、吸収した硝酸態窒素は速やかにアミノ酸に変えておきたいはずです。
なので、体内にある二価鉄を優先的にアミノ酸の合成に使うと考えられます。
二価鉄の使い道はビール酵母から作られた肥料の使い所:ストレスの軽減で触れたようなストレスの軽減にも用いられます。
ストレスの要因である活性酸素はそのまま放置しておくと、細胞の老化を早め、収穫後の棚持ちにも大きな影響を与えます。
活性酸素は二価鉄を用いた抗酸化作用によって除去されますが、二価鉄が他の箇所で優先的に用いられていたらどうでしょうか?

根圏に大量に硝酸態窒素があった場合、植物は硝酸態窒素を貪欲に吸収しつつ発根を抑えてしまう為、鉄等の吸収量は減ってしまいます。
体内では硝酸態窒素を蓄えたのは良いが速やかにアミノ酸に変えておきたく、ただでさえ少なくなってしまった鉄を使ってアミノ酸に変えてしまう。
本来であれば活性酸素の除去に回したかった鉄等を回す事が出来ず、活性酸素を放置しっぱなしの状態になってしまった。
結果として細胞の老化を早め、収穫後の棚持ちも悪くなってしまったというように考える事が出来ます。

有機栽培であっても家畜糞主体の土作りをしているところも、収穫後の棚持ちが悪いような気がしていますが、それはどうなのでしょうか?という質問がありましたが、家畜糞も熟成する程硝酸態窒素の濃度が高まるとされていまして、今回と同様の事が考えられます。
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