
京都農販日誌
硝酸石灰の使いどころ
2026/04/08

ニトロアルファ(硝酸石灰:硝酸カルシウム)の使いどころの話題が挙がりましたので見ていくことにします。
硝酸石灰は名称通り、硝酸と石灰の塩になり、水に非常に溶けやすい為、即効性の硝酸態窒素の肥料になります。
肥効に対して酸による溶解や微生物の働き等の介入が不要であるため、微生物の活動が弱まる冬期の追肥として重宝します。
非常に溶けやすい為、基肥で施肥しますと消失しやすいので基肥よりも追肥の肥料として捉えておくと良いでしょう。
この肥料を施肥するに当たって注意点もありますので、メリット・デメリットをしっかりと見極めて使用するようにしましょう。
硝酸石灰はその名の通り石灰(カルシウム)を含む為、土壌の石灰値を高める可能性があります。
ただ追肥程度の使用量ですのでカルシウムの増加量はそこまでシビアになる必要はありません。
※石灰値を急激に高める要因は石灰を豊富に含む鶏糞を元肥で施肥した時や元肥でpH調整を目的とした石灰の施肥の時になります。
硝酸石灰は水に溶けやすく、溶けたら硝酸になり、硝酸は強酸なので石灰を溶かして肥効を高めるのでは?という質問を見たことがありますが、この点は非常に注意が必要です。
硝酸石灰は強酸の硝酸と強塩基(アルカリ性)の水酸化カルシウムが反応して生成された塩(えん:酸と塩基が結合したもの)になりまして、肥料の区分では生理的塩基性(アルカリ性)肥料に分類され、施肥後は土壌のpHを高め石灰過剰を悪化させる可能性があります。
※ 弊社で取扱のニトロアルファに記載しているpHは6.1ですが、それでもpHを高める可能性があります。

硝酸石灰のよく使用されるケースは収穫前に葉色を良くしたり、栄養成長の期間を延長してネギ坊主の形成を遅くしたりとありますが、石灰過剰を悪化させる恐れがありますので、硝酸石灰を施肥する為の環境整備はしっかりと行っておく必要があります。
環境整備を具体的に挙げますと、石灰過多の土壌への対策の内容と重複しますが
・植物性堆肥等で物理性の改善を行う。
・緩衝性が十分高まった土壌では栽培開始前に慣行的に行われる石灰の施肥を行わない。
・緩衝性が高まっていない土壌では栽培開始前のpH調整で塩基性の苦土肥料等を用いる。
になります。
緩衝性に関しましては緩衝性の向上 - お役立ち農業辞書をご覧ください。
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