
お役立ち農業辞書
緩衝性の向上
土の緩衝性とは土のpHの変動を起こりにくくする性質を指します。
土の緩衝性は土作りにおける三要素の化学性に分類されます。
土の緩衝性が高まると、強い生理的酸性肥料(施肥後に土のpHが下がる)や強い生理的塩基性肥料(施肥後に土のpHが上がる)を使用しても、土のpHの変動が小さくなります。
土の緩衝性が高まる事で得られる恩恵としまして、
※図:土づくり肥料のQ&A(改訂5版)、土づくり肥料推進協議会 2008 p.3より引用
土の緩衝性が高まると、土のpHは6.5付近で変動しにくくなり、すべての肥料成分がバランス良く効き易い状態を維持できます。
補足
pHが低い(酸性)の場合、pHを下げる要因の水素イオン(H+)やアルミニウムイオン(Al3+)が保肥力を埋め、他の成分と競合します。
pHが高い(アルカリ性)の場合は、鉄等が溶けず植物の根で吸収できず利用出来ないといったことがあります。
土の緩衝性を高める資材は
主に腐植を多く含む植物性の有機物(堆肥)になります。
腐植には酸性に傾きそうになった時(pHが下がる)にpHを上げたり、アルカリ性に傾きそうになった時(pHが上がる)にpHを下げて、常にphが6.5付近になるような機能があります。
緩衝性を高める資材で他にはpHが酸性に傾きそうになった時(pHが下がる)時に中和反応がおこるような資材もありまして、
炭酸塩系の肥料(有機石灰、苦土石灰や炭酸苦土)や
※炭酸苦土の例:水マグ(弊社取扱の商品名:ロングマグ)
2:1型粘土鉱物のモンモリロナイト(弊社取扱の商品名:地力薬師)があります。
土の緩衝性を最も高める腐植質の肥料を効かせたい場合は、2:1型粘土鉱物との併用で施肥効率が高まります。