お役立ち農業辞書
牛糞堆肥施用の現状と問題点
現場では土作りも兼ねて牛糞堆肥を1作あたり1~3t/10a
施用するのが一般的です。
仮に牛糞堆肥の成分量を,窒素0.8%,リン酸0.9%,カリ1%
とし,牛糞堆肥を2t施用したとすると圃場には,
窒素16kg,リン酸18kg,カリ20kg
の現物養分が入ることになります。
牛糞堆肥の肥効率は一般的に,
窒素30%,リン酸60%~70%,カリ90%
とされています。
※肥効率(化成肥料の肥効を100として,化成肥料と比較して何割の肥効を示すかをあらわしたもの)
カリの成分量と肥効率を注目して計算すると,
20kg(カリの施肥量)×0.9%(カリの肥効率)=18kg
で,カリの施肥量は18kg/10aとなります。
元肥でカリが18kg/10a入ると,多くの作物では十分です。
しかし多くの方が牛糞堆肥に加えて肥料を施用します。
牛糞堆肥は土づくりという認識が強いからです。
この繰り返しによって,圃場には余剰成分がどんどん溜まっていきます。
「家畜糞堆肥の投入は施肥でもある」という意識を持つ必要があると思います。