
お役立ち農業辞書
土壌生物について
土壌にはたくさんの生物が生息していて、作物の栽培に大きな影響を与えます。
土壌生物を理解する為に、段階を踏みながら整理します。
始めに土壌生物を大きく分けますと、ダニ、ミミズやトビムシ等の土壌動物と、菌や細菌等の土壌微生物があります。
土壌動物は更に肉眼で見ることが出来る大型土壌動物(ミミズやダンゴムシ)と肉眼では見ることが出来ない小型土壌動物(トビムシやダニ)に分けられます。
栽培では土壌微生物の話題が多く挙がりますので細かく見ていきます。
土壌微生物を大きく分けると下記のようになります。
- 真菌(糸状菌:カビや酵母)
- 細菌(バクテリア)
- 藻類
- 卵菌類
- 原生動物(アメーバやゾウリムシ)
- 古細菌(アーキア)
栽培では真菌と細菌についての話題が頻繁に挙がりますので、この2種類について更に詳しく見ていきます。
真菌と細菌の生物学的な大きな違いは、細胞、特にDNAの周りの構造になりますが、栽培では関係ないのでこの点は省略します。
※真菌:真核生物 - Wikipedia
※細菌:原核生物 - Wikipedia
真菌と細菌は大きさが異なり、
真菌の中で最も小さい酵母の大きさが5〜10μm程度で、
細菌は1μm程度になります。
真菌の多くは糸状菌(カビ:菌糸体)として生息していて、
菌糸を伸ばして、肉眼で確認できる程大きくなり、糸状菌の種類によっては繁殖の為に、
繁殖期にキノコ(子実体)を形成します。
大きさの違いにより、一概に言えませんが真菌は多機能で細菌は特化型というイメージで捉えておいて良いでしょう。
このイメージは堆肥作りの際に役に立ちます。
細菌の例:枯草菌、乳酸菌、放線菌、根粒菌、軟腐病の原因菌、青枯病の原因菌
真菌の例:コウジカビ、菌根菌、シイタケ、トリコデルマ、パン酵母