京都農販日誌

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秀品率の高い畑の土壌分析を行いました

2022/12/21

お客様のネギのほ場で秀品率が非常に高い場所がありましたので、土のサンプルを頂き土壌分析を行いました。


土壌分析の結果の前に栽培の状況を整理しますと、




土質は水田転作の固くなりやすい土ですが、土壌改良により団粒らしきものが形成されています。


ネギの根の状況を確認してみると、



発根は重い土にも関わらず、白くて綺麗な根で根量も多いです。

これらの内容を踏まえた上で、分析の結果を見てみると、


※土壌分析の結果は栽培期間中のものになります


リン酸とカリウムが少ない事が目立ちますが、数値を上げることが困難だとされるCEC(保肥力)が高いといった状況でした。

他にもいくつかのほ場の土壌分析も行いましたが、どのほ場でも似たような結果になっていました。


必須要素であるリン酸とカリウムが欠乏しているにも関わらず、冒頭の写真ではどちらの欠乏症らしき症状は見られません。

今回の結果は興味深い事に土壌中のリン酸量と病原性のカビの振る舞いについてで記載しました内容と一致していまして、作物の成長にとって必要な養分を病原菌に盗られるという事がなくなることで外葉の枯れが抑えられ、調整作業で落とす葉の量が少なくなることで、結果として秀品の収量が増える事に繋がります。


上記の記事でリン酸の必須要素としての扱いを止め、リン酸の施肥を控えるべきだという予想を記載していますが、今回の結果からリン酸の予想の確度が上がりました。

まだ分析数が少ないので、秀品率の高い土壌の分析件数を増やし、上記の予想の確度を上げていければと考えています。


リン酸肥料は海外依存率が高いので、昨今の社会情勢からリン酸の施肥の精度は上げておきたいです。


カリウムの数値が低い事に関してですが、カリウムは根肥として扱われていますが今のところ発根に支障はでていないようですので、低くても問題ないのかもしれません。

ただ、カリウム不足は土壌鉱物の劣化の予兆で、他の微量要素の養分の不足の恐れがありますので、毎作少しずつケアしていけば秀品率が更に向上するかもしれません。

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