京都農販日誌
鉄が多い土での畑作で植物性堆肥を使用する際の注意点はありますか?
2024/05/17
鉄が多い土での畑作で植物性堆肥を使用する際に何か注意点はありますか?という質問がありました。
先に結論を挙げておきますと、畑作であれば土の鉄過剰は問題ないとされています。
今回は鉄の多い土について考えながら、本当に鉄過剰は心配しなくて良いのか?について考えていきたいと思います。
鉄が多い土を思い浮かべてみますと、
苦鉄質岩(火山灰含む)を母岩とした暗赤色土が真先に挙がります。
風化した鉄は赤色になり、土に鉄が多く含まれる程、土の赤さは濃くなっていきます。
上の写真の暗赤色土は
玄武岩、緑色片岩や色の濃い緑色凝灰岩が母岩となっている地域でよく見られ、どの母岩でも腐植と馴染みやすく栽培しやすい土だとされています。
青い石が出る園地は良いミカンが出来るという言い伝えについてや黒ボク土での栽培についての記事に詳しい記載があります。
※玄武岩を母岩とする土は黒ボク土に分類される事が多いです。
※緑色片岩や緑色凝灰岩が風化した母岩は暗赤色土より薄い赤色になります。
土を学ぶ上で母岩を意識すると得られる知見が増えるかもしれません
鉄を多く含む土で他に思い浮かぶのは、
農業用水として利用している水に金気がある地域ですが、土の色を見ると暗赤色土程の赤さはないので、今まで挙げた土程、鉄の存在感はないと見て良いでしょう。
ヤマタノオロチの伝説のモデルとなった赤い川で有名な斐伊川付近のように鉄鉱石を多く含む地域の栽培は見たことがないので、もしかしたら鉄鉱石が多めの地質を母岩とした土であれば、今まで挙げたような土と違う挙動になるかもしれません。
機会があれば、出雲のたたら製鉄付近の栽培を見てみたいものです。