
お役立ち農業辞書
電気伝導率(EC)
電気伝導率(Electrical Conductivity:EC)とは土の中にどれくらいの肥料成分が含まれているかを示す指標になります。
電気伝導率の改善は土作りにおける三要素の化学性に分類されます。
土に含まれている肥料成分が多い程、電気を沢山通し数値が大きくなりまして、ECの値が高い程、たくさんの肥料成分が溶けていることになります。
ここで一点注意ですが、栽培の教科書でECは土壌中の硝酸態窒素の量の指標という記載をされていることがありますが、厳密には水溶性肥料の総量になりまして、硝酸態窒素の他、硫酸塩系の肥料の量も測定範囲になります。
ECの値に関してですが、ECの値が低い時は土壌中に水溶性肥料の量が少ないことを意味しますので、次作の基肥で施肥量に関して気にすることはありません。
ECの値が高い時は前作までの肥料の残量が多いことを意味していまして、次作の施肥量を減らしたり、緑肥等で解決する必要があります。
ECの値が高いまま放置しますと、
土表面に粉が吹き始め、植物の根が土から水を吸う力よりも、粉が土から水を吸う力が高くなり、植物は土から水を吸うことが出来なくなり、深刻な場合は枯死します。
このような土表面に粉が吹き始めた現象を塩類集積と呼び、世界的に問題になっています。
塩類集積の解決方法は、土の排水性、保水性と保肥力を向上させることと、ソルゴーなどの肥料成分をたくさん吸収してくれる緑肥と併用することです。