京都農販日誌
稲作の省力化と品質の向上を目指して
2023/06/14
稲作に関する相談を受けている方から昨年度の米の品質検査で地域で1番になりましたという報告がありました。
報告を頂いた方とは毎年振り返りの会を行い、秀品率を高めつつ、栽培の省略化に努めていまして、今回の品質検査の結果から今後の稲作の重要な知見をたくさん得る事ができました。
今年も高槻の原生協コミュニティルームでレンゲ米栽培の報告会を行いました
上記の方の稲作の栽培の特徴としまして、
- 収穫後から翌年の田植えまで物理性の改善を行いつつ、レンゲを栽培している
- 一発肥料の施肥量を徐々に減らしている
- 稲作中は中干しを行わない
になります。
興味深い事に上記の栽培にすることで、農薬の散布や追肥といった管理作業の時間や資材購入のコストが減りつつ秀品率が向上し、利益率の向上に繋がりました。
※減農薬、減肥や中干し無しに関しては年々増える猛暑日対策として、中干し無しの稲作に注目していますをご覧ください。
上記の内容は一見普通のレンゲ米栽培のように見えますが、レンゲの栽培で下記の内容を行っています。
稲作の収穫後の稲わらや田起こし前のレンゲの刈り取り後の鋤き込みの際に、有機物の定着を狙った粘土鉱物肥料の施肥を行います。
粘土鉱物の施肥の他の狙いとして微量要素の補充もあります。
もう一点は、レンゲの開花直前に施肥を行っています。
施肥は黒糖肥料を使用していますが、米ぬかでも良いです。
レンゲ栽培時に物理性の改善と追肥を行う事で、緑肥としての土壌環境の改善効果を可能な限り高めています。
上記の内容ではレンゲ栽培で余計な手間がかかっていると思ってしまいますが、稲作中の管理作業の削減に繋がるのであれば、動きやすい秋の時期に大変な作業を分担できたと考えたり、冬期の乾土効果を狙った荒起こしの作業分がなくなったと考えれば、トータルでみた稲作の手間は大きく削減したことになります。
これらの努力が品質の向上に繋がったという事であれば、これ程嬉しい事はありません。
引き続き、稲作の省力化と品質の向上を目指して、稲作の調査を行っていきます。
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