京都農販日誌

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油粕肥料の油分について

2025/03/03

菜種油粕等の油粕肥料で油分が多いことによるメリットやデメリットはありますか?という話題が挙がりました。

油分が多いと無機化が遅れる、つまりは肥料としての肥効が遅れると言われていますが、この現象について詳しく見ていくことにします。


油粕肥料なので、菜種から油を圧搾して油分はなくなっているはずですが、すべての油分を回収できず、油粕肥料に油分が残っているという前提で話を進めます。


菜種油に含まれる油分でよく聞くものとして、リノール酸やリノレン酸があります。

これらの化学式を見ていくと、リノール酸がC18H32O2で、リノレン酸がC18H30O2になり、どちらも栽培で重要な窒素(N)を含んでいません。


油分と聞いて真っ先に思い浮かべるイメージに高カロリーというものがあるかと思いますが、施肥した時にも高カロリーが重要になります。

高カロリーであるため、土壌の微生物にとって有用な餌になるのですが、微生物らが油分を消費する時に土壌中の窒素分(主に有機態窒素)を消費することになり、その間、作物が窒素分を利用できないことになります。

※油粕肥料の油分はC/N比を高める要因になり、油分の多い油粕肥料は窒素飢餓を誘発する可能性があります。

窒素肥料について


油分多めの油粕肥料を使う時は、基肥として使用するか、堆肥の材料として使用することをおすすめします。

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