
京都農販日誌
熟成堆肥の使い方
2025/05/14
堆肥に求める機能で熟成した堆肥の機能について見てきました。
堆肥の肥効で最も期待したいのが、物理性と化学性を同時に向上させることが出来る腐植酸のような成分が豊富にあることです。
腐植酸のような成分で最もシンプルなものとして、
ポリフェノールが重合したタンニンがあります。
丸で囲った箇所辺りに金属系の肥料成分を捉えたり、リン酸の肥効を高めたりといった堆肥の機能を担う箇所があります。
このような堆肥の熟成で蓄積される有用成分ですが、土質によって効き易さ(定着率)が異なってきます。
せっかく良い堆肥が出来たとしても、土に定着せずに流れてしまっては勿体ないので、どのような土質で定着しやすいか?はしっかりと把握しておく必要があります。
砂質土壌で熟成堆肥を使っても期待した効果になることはありません。
これは砂質土壌の主の土壌粒子の砂に堆肥に含まれる腐植酸のような化合物(以後腐植酸と表記する)を留めておくことが出来ないことが理由だとされています。
では、何が腐植酸を留めておくのは何か?といいますと、
粘土鉱物になります。
ここで一点注意が必要でして、粘土鉱物にはいくつか種類があって、どの粘土鉱物でも良いというわけではありません。
具体的には鉱物系肥料 - お役立ち農業辞書に記載されている粘土鉱物の種類のうち、CECの下限が30以上の粘土鉱物に限ります。
なので、うちの土は粘土質の重い土だから堆肥は効き易いということにはなりません。
では、自身の畑の粘土がどれなのか?を知るには、全国の「土質」を見極める(PDF)に記載されている地図を確認し、どの色の地域であるかを把握しておく必要があります。
地図中で青と赤の箇所は堆肥を吸着しておく粘土鉱物が多い傾向にあり、薄緑の箇所は少ない傾向にあります。
薄緑の箇所で熟成堆肥の肥効を確実にしたい場合は、
堆肥に粘土鉱物肥料を混ぜて施肥する必要があります。
粘土鉱物について更に詳しく知りたい方は地質図から訪れたことのない遠方の土質を予想する1をご覧ください。
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