
京都農販日誌
リン酸過剰問題の解決に取り組む時は、信用できる追肥用のリン酸肥料を用意しておく事をおすすめします
2025/10/09

話の機会を頂く度に土壌分析を行っているのであれば、リン酸の値に細心の注意を払いましょうという内容をお伝えしています。
必須要素のリン酸にも過剰症というものがあって、リン酸過剰では農薬を使用しなければならない場面が増える可能性があります。
冒頭の土壌分析ではリン酸が大幅に欠乏しているように見えますが、この畑で作付けする時の基肥でリン酸を減らした状態で栽培を始めてもリン酸欠乏のような症状に陥りません。
理由はおそらくではありますが、土壌分析では検知されないリン酸を活用しているからで、このリン酸(有機態リン酸)は豊富にある可能性があります。
この話を聞いた方からリン酸は必須要素なので、検知されないリン酸を信じて栽培をするのは流石に不安になるので良い手はあるか?という質問をよく頂きます。
上記の件ですが、話している身としてもリン酸を徹底的に減らすことを断言するのは不安ので下記のような話を合わせてしています。
・土壌分析で検知できないリン酸は砂質土や席黄色土では本当に欠乏している可能性があるので、日本土壌インベントリーで自身の畑の土質は確認しておいて欲しい
・リン酸過剰問題を解決する時、信用できる追肥用のリン酸肥料は必ず持っておいて欲しい
後者の信用できる追肥用のリン酸肥料に関して弊社商品でおすすめの肥料がありますので紹介します。

S×P42号という葉面散布でも使用できるリン酸肥料があります。。
S×P42号は吸収しやすいリン酸の他に、木の成り疲れ等で与えたい苦土(マグネシウム)、カリや光合成を強化する微量要素が含まれています。

主に葉面散布で利用します亜リン酸肥料というものがあります。
亜リン酸は葉面散布の場合は速やかに効き、施肥後に土壌の微生物(主に細菌)によって作物が吸収しやすいリン酸に変わり肥効を示します。
亜リン酸肥料の葉面散布に関しまして、病気発生の予防の記事があります。
病害発生を防ぐ亜リン酸肥料 〜栽培現場における亜リン酸肥料の効果〜 - タキイ種苗
亜リン酸を土に施肥した場合、通常のリン酸(正リン酸)と拮抗して吸収を阻害する可能性があったり、土壌の微生物が関わる必要がある分だけ肥効が遅くなる可能性はありますが、使い方を工夫すれば秀品率の向上に繋がる可能性を秘めた良いリン酸肥料になります。
